2009年3月31日火曜日

日本共産党中町支部会報3月号特報!


日本共産党演説会、市田忠義日本共産党書記局長来る!

日時:4月11日(土)午後7時開会(6時30分会場)
場所:多可町中区 多可町文化会館ベルディーホール(大ホール)

弁士:日本共産党書記局長 市田忠義

弁士:日本共産党兵庫県委員会常任委員 瀬戸恵子
弁士:日本共産党多可町議会議員 辻誠一

大不況を口実に大企業が「派遣切り」「期間工切り」「下請け切り」し、
人をもののように使い捨てにしています。

日本共産党は、経団連やトヨタ、キャノンなどに雇用を守れと、
直接申し入れを行っています。

「雇用を守れ」「中小業者を守れ」と国民運動が広がっています。

日本共産党の政策と役割を市田忠義書記局長が縦横に語ります。

ご家族・ご近所おさそい合わせて、是非おこし下さい!

■比例区は『政党名』で投票します(候補者名を書くと無効票になります)
■小選挙区は候補者名で投票します

2009年2月12日木曜日

日本共産党中町支部会報2月号

■是非一度日本共産党の話を聞いて下さい!? -4月5日(日)ベルディーホールで大演説会を開催します- 最近マスコミをはじめ、財界からも注目を集めている日本共産党。100年に1度と言われる大恐慌。しかしこの恐慌は自然災害ではありません。政治災害です。アメリカ仕込みの新自由経済が招いた大恐慌から日本経済を立て直し、私たちの暮らしを守るには、今の政治のどこをどの様に改めれば良いのか。今、マスコミ、経済界からも日本共産党の政策が注目を集めています。来る4月5日(日)午後2時から中区ベルディーホールで共産党の幹部を招いての演説会を開きます。みなさん、一度共産党の話を聞きにきませんか?心よりお持ち申し上げます。(多可町議会議員 辻誠一)

■人為的激甚災害に等しい急激な雇用破壊・景気悪化に政治責任を問う! 日本共産党の志位和夫委員長は30日の衆議院本会議で代表質問に立ち、麻生太郎首相に対して、急激な雇用破壊、墜落するように進む景気悪化などについて、それぞれの「原因と責任をどう認識しているのか」と政治の責任をただしました。同時に雇用を守るためにやるべきこと、景気回復をはかるための5つの抜本的転換を提起しました 内需主導経済へ5つの提案①安定した雇用を保証すること②安心できる社会保障を築くこと③中小零細企業の経営を応援すること④農林水産業の再生をはかること⑤貧困に追い討ちをかける消費税増税には反対

■目糞鼻糞笑う自民党VS民主党 私も非法人個人経営者です、個人経営者には「景気の悪化をこんな次代だから仕方ない」「ニュースや新聞で景気の悪いニュースを流されたら仕方ない」と諦め、それでも自民党や民主党に政権を委ねていれば何時か何とかなる(ような気がする)って方が多いように思います。でもそれで良いのでしょうか?事業をしていて毎月毎月売り上げから支払いをし、納税をし「えっ!手許にはコレだけしか残らない!」ってこと日常茶飯ではないでしょうか?こんな現実を仕方ないで諦めていたら生活出来ないどころか、子供や年老いた親の面倒も見れません!『事業をしていて毎月毎月売り上げから支払いをし、納税をし「えっ!手許にはコレだけしか残らない!」』なんて現実こそが自民公明政権の本質ではないのでしょうか?①ODAで海外に際限も無く血税をバラマキ、②右肩上がりに増え続け止め処も無く増加する軍事費(自衛隊予算)、③大企業・富裕層優遇税制、こんな行為にはほとんど触れず財源がないからと景気好転の基準も設けず11年度からの消費税増税を目論んでいる自民公明政権。対峙する民主党にしても自民公明政権に対案を示しながらも、財源を明確に示す事は出来ず、全く消費税増税には触れていません、「保守政党」を標榜する政党が政治的責任を全く果たせていないあかしではありませんか!自民党は大企業・富裕層からの献金で財界(大企業・富裕層)にモノが言えない、つまり国民(労働者・中小零細企業・個人経営者)の声が代弁出来ない政党が政権を握り、自民党に肉迫している民主党とて大企業・富裕層からの献金で財界(大企業・富裕層)にモノが言える政党ではありません。アメリカにも財界にもモノが言える政党は日本共産党だけです!

■子どもたちに朗報!?-森本交差点に歩車分離信号- 読者の皆さん、中区南小学校前の交差点の信号が先月から変わっているのをご存じですか?この信号、頻繁に通学途中の子どもたちと通勤等の車の接触事故が発生する場所でした。 この交差点に県下で120番台目、北播で初めて「歩車分離信号(※)」が導入されました。日本共産党の辻 誠一議員が、この交差点の安全を確保するため「歩車分離信号を!」と議会で提起したのは約6年前。当時は、「都会でもなかなか導入されていないのに・・・」という雰囲気だったそうですけど、地域の子ども会やPTAの署名運動などもあり辻議員の議会での提起以来、町から県への予算要求項目に付け加えられてきました。 この歩車分離信号について辻議員は、「先月も通学途中の子どもと、車とが接触事故を起こしていましたが、この交差点が県に『危険箇所』と認定されたのは当然です。この交差点の危険性と歩車分離信号導入の必要性を初めて議会で提案したときには、『都会と比べて交通量の少ない地域では必要ない』という雰囲気でしたが、都会であれ、地方であれ危険な交差点というのは当然あります。『必要なものは必要なんだ!』と、道理をもって提案することの大切さを私自身改めて感じました。引き続き子どもたちが安心して暮らせる地域になるよう全力でがんばります。」と語っています。 ※■ 人と車を分けて流す信号運用を「分離信号」といいます。分離信号は歩行者と右左折車を交錯させない信号運用です。(分離信号の代表例としてスクランブル信号があげられます)警察庁では「分離信号」を「歩車分離信号」と名付けています。

■後記 編集人の私事で年末年始の支部ニュースの発行が出来ませんでした、御詫び申し上げます。

2008年11月19日水曜日

11月号

■定額給付金の「愚!」

定額給付金の原資2兆円も、実態は「国民の血税!」なんですよ!その「国民の血税!」の中から一回コッキリ、たかだか12000円やそこらを、定額給付金と銘打って「還付?」して、この高負担!物価高!の社会で景気が刺激されますか!?しかも3年後には消費税は増税され、何年にもわたって搾り取られるのですから、割を食わされるのは「国民!低所得者!中小零細企業!」ばかりです!これほど国民をバカにした自・公政権が許せますか!?「愚!」かな国家的国民買収に騙されてはいけません!

■21年度保育料金値下げに辻誠一議員が奮闘!



多可町が、議会手続きを経ずに20年度からの保育料金を値上げした事が、3月におこなわれた議会での辻誠一議員の一般質問で明らかにされました。辻議員の鋭い質問に戸田町長は「(保育料金の値上げに関して)担当委員会での説明が欠落しておりました」、と議会手続きを経ていない事事を認めた上に「全体を見て欲しい!一部を摘み上げて値上げとは言って欲しくない!」と答弁し、保育料金を元に戻すように迫る辻議員の質問に対して、値上げを撤回するつもりの無い姿勢を崩さず、半ば開き直りとも取れる答弁に終始されていた姿が記憶に新しいのですが、その後の辻議員の議会活動での奮闘努力が実り、階層区分の細分化と、2000円の値下げがされる見通しとなっています。担当課も値下げ案を議会に上程する準備を進めている事を認めています。町当局が住民の代表である議会を軽視して施策を進めることは言語道断です、また、昨今住民を苦しめる公的負担や物価の上昇が上げ止まらない中で、安易な保育料金の値上げが多可町の子育て世代の不安をあおり、多可町の人口減少、出生率の低下に拍車が掛らないかと心配しています。辻議員の努力で僅かとは言え保育料金が値下げされる事はいちるの光明と言えます。








■日本共産党演説会

自・公政権は定額給付金で大迷走した挙句、煩雑な事務作業と、所得制限などの責任を地方自治体に丸投げし、押し付けようとしています、また3年後の消費税増税を明言しています!かたや大企業・大銀行のみを救済し!その一方で低所得者・中小零細企業には更なる負担を強いるばかりの切捨て行政を強行!します。「優しさ」と「思いやり」と「協調ある行政」を国民の手に取り戻すには、次回総選挙での日本共産党の躍進しかありません!「自・公政権の悪政・現実を直視して皆で一致協働して政治の中身を変えましょう!」、ご家族で!仲の良いお友達!御近所さんと!日本共産党演説会に是非お越し下さい!心血通う行政を共に考えましょう!

日時:平成20年11月29日(土)午後2:00~

場所:多可町加美区寺内・多可町産業交流会館

弁士:日本共産党衆議院比例予定候補者・金田峰生

弁士:日本共産党・多可町議会議員・辻誠一

■日本共産党・党員・後援会員・新聞読者・懇親会に是非ご参加を!

早いもので、あと数日で師走ですね。年は忘れても「自・公政権の悪政」は忘れる事はできません。日頃の思いや考えを交換しながら楽しい一時を過ごせればと考えています、お気軽にご参加下さい

日時:平成20年12月2日(火)午後6:00~

場所:多可町中区鍛冶屋・多可町おもいで荘

準備の都合がありますので、参加して頂ける方は御連絡お待ちしています

連絡先:0795-32-2010・杉浦まで宜しくお願いします

「宴」の中身は「ひ・み・つ・_(^^;)ツ アハハ」です、お楽しみに(*^^)

2008年10月24日金曜日

ボーイスカウトは軍隊予備軍ではない

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少し古いですが興味深い記事を見つけましたので紹介します。
ラムズフェルド発言が気に入りませんが.....
at.nakajcp:HN
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http://www.shii.gr.jp/pol/2006/2006_01/I2006_0101_1.html
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2006年1月1日(日)「しんぶん赤旗」
新春対談一橋大学大学院教授 渡辺治さん憲法守る国民の対抗軸を形にとらわれない運動「九条の会」にすごく注目日本共産党委員長 志位和夫さん政治の夜明けひらく年に生きて働く九条の力を訴えることが大事です
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 今年は日本国憲法制定から60年です。自民・民主・公明各党の改憲策動が新たな段階を迎えるなか、憲法改悪反対に向けて国民の多数派をどう結集するのか、九条の値打ち、アジアで日本がどう生きていくのか――日本共産党の志位和夫委員長と「九条の会」事務局で活躍する渡辺治・一橋大学大学院教授が世界的視野で大いに語り合いました。
 志位 あけましておめでとうございます。
 渡辺 あけましておめでとうございます。
 志位 昨年は、自民党が総選挙で議席ではかなりの多数をとるということが起こりました。ただ、私は、大きな視野で見ると自民党政治がこんなに深い閉そく状況に陥ったことはかつてないと思っています。
 外交の面では、アジアでまともな近所づきあいができなくなるという八方ふさがりです。暮らしの面でも「痛みに耐えたら明日がある」とやってきたんですが、いよいよ大増税が目の前に迫ってくる。
 そのもとで国民のたたかいの深部からの新しいもりあがりを感じます。「九条の会」の力強い広がり、基地強化反対の自治体ぐるみの闘争、暮らしを守る多面的な闘争など、いろいろな分野で、これまでにない広がりを感じます。いろいろなジグザグがありますが、日本の政治は、夜明け前といいますか、歴史的な転機の時代に入りつつある。さまざまなたたかいを日本列島から澎湃(ほうはい)と起こして、政治の夜明けをひらく年にしたいと決意しています。
 渡辺 私は、志位さんと基本的な見方はそれほど変わらないんですが、自民党政治が、大きな困難を抱えながら大企業本位の政治体制をつくるために、従来でもできなかったような凶暴な政治をやろうとしている側面は注目しないといけないと思います。
 一つは、アメリカ追随の軍事大国化の推進。これだけ外交的に孤立しているのに、自衛隊を武力行使目的で海外に出動させようという大きな野望を実現しようとしている。第二は、大企業の負担を軽くし規制を緩和して競争力の強化をはかる構造改革です。ここでも、総選挙結果を背景に、加速化せよとの財界の要求が強くなり、医療制度の改悪や増税、公務員制度改革など新たな攻撃の段階に入っています。第三の柱がその集大成としての憲法九条への攻撃です。
 だからこの局面で、国民の側の大きな対抗軸がつくれるのかどうか。それが問われる一年になるし、ぜひともそういう力をつくっていきたい。
 対抗の運動として注目されるのはやはり「九条の会」です。〇四年六月に発足して以来、呼びかけ人の方々の予想を超えるようなスピードで国民のなかに浸透している。昨年七月末に地域や職場、分野別の「九条の会」が三千を超え、今は三千六百です。
 志位 毎月百五十ぐらいのペースで増えていますね。
 渡辺 もう少しゆっくりでもいいんじゃないかと思うんですが。(笑い)
 志位 たたかいという点で、もう一つ、特筆すべきは基地の問題です。米陸軍の新しい司令部をもってくる動きがある座間市(神奈川県)での集会に一万一千人が集まりました。横須賀市での集会も二千五百人を集めて盛会でした。全国各地で自治体ぐるみの運動が広がっています。沖縄では新基地の押しつけに対して、保守の県知事も「受け入れられない」と表明し、島ぐるみでのたたかいの条件が生まれています。
 渡辺さんがいわれたように、平和と暮らしを壊す暴走の危険は、過小評価してはならない。ただ、この暴走が、国民との矛盾を深め、世界の流れとの矛盾も「ここまできたか」というところまできている。先のない大きなゆきづまりにぶつかっている。ここを視野を広げてつかむことが大切だと考えています。
 私たちが十一日から開く党大会の決議案では、自民党政治の三つの異常な特質――侵略戦争を正当化する異常、アメリカいいなり政治の異常、極端な大企業中心主義の異常――をただす改革ということを打ち出しました。ここでいう「異常」とは世界の流れとまったく違う道をいっているということです。この政治に未来はない。国民のたたかいで、政治の夜明けへの展望を開くことはできるし、ぜひそうした年にしていきたいと思います。
 渡辺 そうですね。
■海外で戦争のできる国に――改憲案の具体化で 狙いが見えてきた   
 渡辺 憲法改悪は、九〇年代に入って台頭し、近年大きな課題として登場してきたんですけれど、アメリカ追随の軍事大国化と構造改革という、保守支配層の狙う二つの改革に対応して、二つ狙いがあったと思うのです。
 一つは、軍事大国化の大きな障害物となっている九条を改悪して、自衛隊を海外で武力行使できるようにしたいという、焦びの緊急な狙いです。これはアメリカの強い圧力でもあるし、財界の強い要請でもあった。
 志位 ええ。
 渡辺 ところが、改憲の狙いはこれだけではありません。それは、自民党や民主党、中曽根康弘氏や鳩山由紀夫氏ら、いま出されている改憲案がみんな全面改正案であることからも分かります。改憲には構造改革の遂行のためという、もう一つの、より長期の狙いがありました。まず、構造改革を強行しようとすると憲法の民主的な政治体制が邪魔だから、これを変えろという要求が出てきた。
 たとえば、日本国憲法は衆議院と同時に参議院で、十分に民主的に議論するような制度になっていますが、構造改革でどんどん国民に犠牲を強要していく悪法を通すにはスピードが落ちる。強行採決も衆参で何度もやらないといけない。郵政民営化法の廃案はその典型例でした。そこで、参議院の権限を縮小しろといいだした。
 構造改革の強行に伴って、改憲を必要とする、さらに深刻な問題が起こりました。企業の海外進出によるリストラ、倒産に加え、構造改革による農業・中小企業切り捨て、高齢者や弱者に対する医療や社会保障の切り捨てのなかで、日本の社会にかつてないようないろいろな大きな危機、ゆがみが出てきたことです。自殺者は二〇〇三年で三万四千人になり、ホームレスの人たちが非常に増えてきている。あるいは、犯罪率が増加したり、児童の虐待がおこったり、社会の貧困化と階層分化に伴う、大きな困難が登場してきました。これは構造改革の所産なんだけれども、大企業本位の社会をつくるためには構造改革をやめるわけにはいかない。
 それで改憲派の人たちは、社会のゆがみや困難は憲法のせいだと口々に憲法を非難し始めた。個人主義とか自由主義が社会のゆがみを生んでいるのだから、これを直して、家族や地域の共同体を強め、天皇を元首とうたい、伝統や文化を教えることや国民の義務も明記して社会を立て直さなきゃいかん、と中曽根氏らも言うようになります。
 こうして、自衛隊を武力行使目的で海外に出すための規定だけでなく、首相権限強化、参院縮小、家族や共同体の再建、国民の責務などが盛りだくさんに入りました。
 ところが、十一月二十二日の自民党立党五十年記念大会で正式に採択された自民党の「新憲法草案」は、こうした、あれもこれもといった盛りだくさんな詰め込み方式を一掃してしまいました。天皇元首化、家族の保護、伝統文化など、公明党とか民主党が反発したり、国民が国民投票のなかで反発するようなことをやっていたら、一番肝心の自衛隊の武力による海外派兵ができないということになる。だから、九条の改悪だけに絞って出してきたというのが、「新憲法草案」の大きな特徴です。今までの自民党案から見ると面目を一新しました。
 アメリカの世界戦略のなかで自衛隊がアメリカ軍と共同作戦を展開するには、自衛隊の海外での武力行使の禁止を何が何でも突破しなければいけない。そのためには、譲歩するところは譲歩する。また、今まで自民党の改憲派がいやがっていた「新しい人権」も散りばめて九条改憲という毒薬のまわりを甘い砂糖でくるむ。民主党、公明党がのめるような工夫をし、両党を巻き込んで、改憲に突っ走る案が出てきたのです。
 志位 いま、憲法改定の大きな狙いとして、九条を変えて海外で武力行使ができる国にすることと、構造改革ということがいわれました。私の考えでは、やはり中心は九条を変え、「海外で戦争をする国」にするというところに置かれていると思います。
 「新憲法草案」は、九条の二項を削除して「自衛軍の保持」を明記、その「自衛軍」が「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」に参加するとしています。この部分に一番の核心があると思います。
 憲法九条には、一項、二項があって、一項は戦争の放棄、二項は戦力の不保持と交戦権の否認ですけれども、両方があわさって九条を構成している。一項だけでしたらパリ不戦条約(一九二八年)や国連憲章(一九四五年)にものべている、いわばグローバル・スタンダード(世界標準)です。
 渡辺 そのとおりです。
 志位 しかし、二項を含めた九条は、世界でも類のない、恒久平和主義を極限まですすめたという大きな意義があります。二項を削って「自衛軍」を書き込むことによって、これまでどうしてもやりたくてもやれなかった海外での武力行使に道を開く。やはりここに改憲の狙いの中心があることは、よく見ておく必要があると思います。
 自民党などは、「海外で戦争をする国」といわれるのが嫌なんですね。私もテレビで小泉首相と討論してきましたが、小泉さんは、「自衛隊があるんだから、あるものを書くだけなんだ」「海外に出て戦争しようなんてだれも考えていない」と、否定するんです。(笑い)
 ところが、私が重要だなと思っているのは、改憲案を具体化してみると、いやがおうにもその狙いが見えてきたということです。
 改憲案を具体化してみると、「自衛軍」が「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」に参加するということになる。重大なことは、ここでいわれている自衛隊の海外での軍事活動には、何の制約もないということです。イラク戦争も「国際社会の平和と安全を確保」する活動かと問えば、小泉首相は「そうだ」となるでしょう。
 渡辺 アメリカと一緒にやっている「有志連合」にも参加できる。
 志位 「有志連合」は「国際的に協調した活動」ということになりますから。イラク戦争のような戦争への本格的参戦もできる。「新憲法草案」が出た時に、すべての新聞がいっせいにこの部分をとらえて、海外での武力行使に道を開くものだと書きました。
 渡辺 いまいわれたことは大変重要な点だと思います。同時に、新憲法草案の「国際社会の平和と安全」という規定にはもう一つの思惑もあります。いままでの自民党や改憲派の人たちが、こだわっていたのは集団的自衛権です。法的な概念として改憲案に明記したい。ところが、集団的自衛権という言葉を使うと、民主党とか公明党内ではいろんな議論があって一致しない。そこで、なにも法的な概念として集団的自衛権を使う必要はない。自衛権とだけ書いておけば、集団的自衛権も含まれると解釈できるし、そんな恐ろしい言葉を使わずに、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」と書きさえすれば、イラク戦争やアフガン戦争まで入るからです。そうして毒薬を飲みやすくしている点でも非常に注目されます。
 志位 ここでいわれている「活動」には、集団的自衛権も含まれることになりますが、もっと広い概念もみんな入ってくる。集団的自衛権という概念を厳密に解釈したら、国連憲章上は武力攻撃が発生したものにたいする集団的対応です。けれども、いまアメリカがやっているイラクやアフガンの戦争は、先制攻撃です。これは国連憲章上の集団的自衛権ですらない。“集団的無法”です。そういうものにもちゃんと対応できるような改憲案になっています。「海外で戦争をする国」づくりだと、私たちはいってきましたが、具体化すると、どうしてもそれが条文にあらわれてくる。
■構造改革と改憲の関係 ――財界にとっても  九条改定が中心課題
 志位 渡辺さんがいわれた構造改革との関係で、私の考えをいいますと、この「新憲法草案」は九条改憲が中心ですが、国民の権利にたいする制約、あるいは立憲主義の否定につながるような逆流的要素も入っているわけです。たとえば「公共の福祉」にかわって、「公益及び公の秩序」が人権制約の規定として入り、首相の一定の権限強化も入っています。こういう問題をどうとらえるか。
 私は、こういう問題も、何よりもまず九条改定との連動性でとらえることが大切だと思います。つまり、九条を変えて「海外で戦争をする国」をつくるためには、国民を無理やり戦争に動員しなければならない。そこから人権や民主主義の制約・後退に連動していくという必然性をもっています。
 私が、思い出深い国会論戦がありまして、九七年に米軍基地のために沖縄県民の土地をとりあげる米軍用地特措法を強行するさいに、政府は憲法二九条の財産権は「公共の福祉」のために制約ができるという論を立てたのです。
 渡辺 「公共の福祉」にもとづいて土地をとりあげると。
 志位 ええ。そんな議論は通用しないと、ずいぶん論争をしたものでした。しかし、今度これが「公益及び公の秩序」になったら、それこそ「日米同盟」という「公の秩序」のために財産権は制約されるのはあたりまえということになってしまいます。
 私も、渡辺さんがいわれるように、財界が改憲を主張するさい、構造改革といいますか、彼らの利潤を追求するうえで最も効率的な国家への改造という思惑をもっていると思います。それは日本経団連の昨年一月の改憲提言(「わが国の基本問題を考える」)を見てもあらわれています。
 同時に、改憲と構造改革の関係の整理をしておく必要がある。つまり日本を「海外で戦争をする国」に変えようと思ったら、絶対に九条を変えなければなりません。しかし、構造改革は憲法を変えなかったらできないかというと、そうではない。
 渡辺 おっしゃる通り、立法措置でかなりできます。
 志位 ええ。ですから財界にとっても、最優先の課題、そして中心課題は、九条改定であって、自分たちのもうけの都合のよいように国家の改造をはかっていくための改憲というのは、その先の課題と位置づけていると思います。だから日本経団連の改憲提言も、憲法九条を変え、憲法九六条の憲法改定条項を緩和する――この二つに改憲を絞っている。これを迎え撃つ側も、対決の要は九条だというところをおさえたたたかいが大切だと思います。
 渡辺 私も、全く同じことを強調しています。さきほども指摘したように、自民党「新憲法草案」は、自民党がいままでつくってきた改憲案とも大きく違う。九条に焦点を絞った、もっとも危険な案です。現実に改憲を実行するためには、せっぱ詰まったものだけを書いて、あとは九六条を改正しておいてゆっくりやればよい。これが「新憲法草案」の狙いです。基本的にはそれ以外のことをそぎ落としている。だから中曽根さんは、怒ったわけですよね(笑い)。これは自民党らしくないと。ただ、僕にいわせれば、まさに、現代の自民党らしいですね。
 志位 そうだと思います。
■米軍再編の現実の動きが改憲の狙いを浮き彫りに
 志位 もう一つ、米軍再編といわれる動きとのかかわりでも、改憲の狙いが見えやすくなる状況が生まれていると思います。米軍再編というと、在日米軍基地の問題ととらえがちですが、いま起こっていることの本質は、米軍と自衛隊が軍事的に一体化し、地球的な規模で展開するところにあります。
 二〇〇三年にファイス米国防次官(当時)が、まとまって地球的規模での米軍再編の構想をのべています。二つの大きな柱があって、一つは、彼の言葉でいうと、「米軍はこれからは駐留地でたたかうことはない。駐留地から遠く離れている場所に戦力を投射する」。要するに遠征しての殴り込みを、迅速に地球的規模で展開できる軍隊として再編成するということです。
 もう一つの柱は、同盟国との軍事的協力体制をつくりあげるということです。ファイス国防次官は、「われわれは同盟国に対して、派遣可能で、本当に使い物になる司令部および部隊を確立するように促している」といっています。今の自衛隊は「本当に使い物になる司令部」でもないし、「部隊」でもないというわけです。(笑い)
 渡辺 ラムズフェルド米国防長官は、この間の日米安全保障協議委員会(2プラス2)でいみじくも“自衛隊はボーイスカウトだ”といいました。ブッシュは政治的に孤立しているので、ああいう自衛隊でもとにかくきてもらうことに感謝するといっていますけれど、軍事的にはラムズフェルド発言のようにいらだっているわけです。
 志位 そうですね。日米が一体の軍隊として戦争をたたかうためには“ボーイスカウト”では困る(笑い)。“ボーイスカウト”から一人前に戦争ができる軍隊になってもらわないと困るというわけですね。
 アーミテージ前米国務副長官は、「(課題は)日本がどのような地球規模の役割を果たすかにある。あえて言えば、その決断には日本の憲法第9条の問題がかかわっている」(「読売」〇五年十二月四日付)といっています。自衛隊は、地球的規模で海外に出るところまでいったけれど、これから先は「どのような地球規模の役割を果たすか」が問われてくる。一人前に戦争ができる軍隊になるためには九条改定が必要だというわけです。米軍再編という現実に起こっている動きとの関係でも、九条改定の狙いが非常に見えやすくなっていますね。
 渡辺 おっしゃる通りだと思います。アメリカにとってみても、非常に切迫した要求になっている。そのなかでアメリカは非常に強い圧力を日本にかけてくる。対する日本の財界も、九条を変えないといつまでたってもアメリカと一緒になって覇権国とはなれないといういらだちを強めています。さきほど志位さんがふれられた日本経団連の改憲提言は、日本経団連としては初めての改憲論ですが、そこに財界の改憲衝動の強さがあらわれています。
 志位 そうですね。経済同友会は出していたけれど。
■海外での武力行使反対で大きな共同の輪を   
 渡辺 経済同友会は九〇年代以降改憲提言をいろんな形で出していますけれど、経団連は組織加盟の団体ですから慎重でした。その経団連が改憲論を打ち出して、とにかく九条と九六条にしぼって改憲をやれといった。自民党「新憲法草案」は、アメリカと財界、この二つの圧力の産物だということが明確です。
 自衛隊の海外での武力行使の是非、この点にこそ、今回改憲の最大の争点があります。たしかに国民の八割以上は自衛隊を認めています。しかし同時に、「毎日」の調査(〇五年十月五日付)では62%が九条の改正に反対しています。改憲派の人たちは、これをみて“国民だって矛盾している。よくわかっていない”“つじつま合わない”といっていますが、私は必ずしもそうじゃないと思います。
 国民の多くが認めている自衛隊とは、やはり新潟の地震とか阪神淡路大震災のときに出ているような自衛隊であって、海外で武力行使する自衛隊には反対なのです。とくに若い人は70%も九条改正に反対しているという。これは、海外で戦争するような軍隊になってもらいたくないというメッセージですね。だからそれをきちんと受けとめることが大事です。だから、自衛隊を違憲と思う人も、合憲だと思う人も――その場合の自衛隊は、海外で戦争をしない、武力行使しない自衛隊なんですが――海外での武力行使については反対だという大きな輪をつくることが、すごく大事だと思うんです。
 志位 まったく同感です。そこがいま憲法改悪反対の国民的多数派をつくるうえで、最大のカギですね。
 米軍再編と憲法との関係では、テレビ朝日系の「報道ステーション」という番組でたいへん衝撃的なルポをやっていました。米ワシントン州のフォート・ルイスに米陸軍の第一軍団の部隊がいるのですが、そこで陸上自衛隊が一緒に演習をやっている映像なのです。
 渡辺 私も見ました。すごかったですね。
 志位 すごかった。イラクにみたてた「地図にない町」をつくって、訓練用にビルや住宅五十二棟をつくって、突入作戦をやるわけです。米兵が「敵が見えたら撃て。撃ち続けるんだ」といってやると、自衛隊員がバッバッバッと撃って「敵二名射殺」と叫んでいる。ぞっとしましたね。
 イラクで実際に血なまぐさい戦争をたたかってきた米陸軍第一軍団が自衛隊を指導していて、その米兵は、「将来、本当の戦場で一緒にたたかえることを楽しみにしています」といっていました。
 渡辺 あの番組は、講演にいっても、ずいぶん話題になっています。ある人は「あそこまでいっちゃっていたら、もう九条なんてどうしようもないじゃないか」というのです。こうした声は、当然の危ぐですが、私はこう答えています。“あれは演習であって現実にはできない。九条の下では演習に終わらざるを得ない。あれを現実にやりたいというのが改憲の一番大きな狙いなのだ”と。
 志位 あの番組の最後で、米戦略予算・査定センターのグレバノビッチ所長がインタビューに応じて、「憲法第九条を改正しようという動きもあります。日米の部隊が共通の利益を守るため一緒にたたかったとしても驚きません」といっている。あの演習を現実にやるためには憲法を変えることが必要だというわけですね。
 米軍再編でも、キャンプ座間が問題となっていますけど、米陸軍の新司令部がアメリカからくるだけではなくて、陸上自衛隊の中央即応集団という海外派兵専門の部隊の司令部もきて、日米が司令機能を一体化して、海外に出ていこうという動きになっています。海軍は横須賀で一体化、空軍は横田で一体化しようという。沖縄を本拠地にした海兵隊でも、キャンプ・ハンセンにつくった都市型訓練施設で、米軍と陸上自衛隊が合同で訓練する動きがある。嘉手納の米空軍基地のF15を本土の航空自衛隊の基地に分散させる。米軍と自衛隊が、陸海空そろって一体になって打って出るという仕掛けづくりです。しかし、イラク戦争のような戦争を一緒になってたたかおうと思ったら、九条があったらできない。ここから九条改憲に連動してくるのです。
 渡辺 米軍再編は、おっしゃる通り、朝鮮半島からイラクまでのいわゆる「危険な弧」をカバーして、日米両国の軍隊が機動的に一体になって「ならず者国家」に先制攻撃を加える体制づくりです。ですから、米軍再編に関して私たちがもっとも注目し指摘しなければならない点は、自衛隊と米軍が一緒になって「戦争をする国」になる体制づくりだという点です。この点こそ、憲法改悪と密接に連動する米軍再編の焦点なのですが、マスコミはどうしても「在日米軍基地の縮小・再編問題」だけで米軍再編をとらえています。そうなると全体が全然わからなくなる。
 志位 そうです。いまいわれた「米軍再編の焦点」を広く明らかにしていくことが大切ですね。
■九条には歯止めとしての偉大な生命力がある  
 渡辺 最近の改憲論で流行の論理は九条ガタガタ論、解釈改憲最悪論と私が名づけている改憲論です。それは“九条はいいけれど、自衛隊がイラクに行ってしまうし、インド洋にも行く。九条は全然守られていない、もっと守れるようなルールをつくらなければいけない”という議論です。
 志位 逆に憲法を変えて歯止めをつくろうという“歯止め的”改憲論ですね。(笑い)
 渡辺 民主党の「憲法提言」(昨年十月)もそうです。自民党政権の解釈改憲政策で憲法が空洞化し、九条と自衛隊のイラク派兵という実態が乖離(かいり)している。だからもっと守れるルールをつくらなきゃいけない、憲法を実態にあわせることによって立憲主義を回復しなければならないという議論です。この新手の改憲論は、九条を踏みにじってきた現実を逆手にとった議論ですが、私は二つの点で反対です。第一に、なぜ憲法と実態が乖離したらひたすら憲法を現実にあわせなければいけないのかという点に答えられません。第二に、この議論とは異なって、九条は死んでもいないし、ボロボロでもないという点です。この点にきちんとこたえていくことが、非常に大事な点だと思います。
 志位 それは、本当に大事な点ですね。私たちは九条と現実が乖離しているのだったら、あしき現実にあわせて九条を変えるのでなく、九条という理想にむけて現実を変えることこそ政治のつとめだと考えています。そして、九条がボロボロになって、使い物にならないから、現実にあわせた方がいいという議論にたいしては、私は何よりもまず、九条が生きて働いている力の偉大さをうんと国民に訴えていくことが大事だと思います。
 日本は軍隊をつくったけれど、戦後一人も殺していないし、一人も戦死者をだしていないとよくいわれます。私はサミット(主要国首脳会議)七カ国を調べてみましたけれども、そんな国は日本以外にありません。
 なぜかといえば、九条が厳然としてあったからです。解釈改憲で自衛隊がつくられ、その自衛隊が海外に派兵もされ、さんざん九条が踏みつけにされたけれど、最後のぎりぎりのところで、「殺し、殺される国」にはなっていない。これは九条を変えなかったら、越えられない壁です。九条は歯止めとしての偉大な生命力がある。
 渡辺 私も、講演でも新著でも必ず九条がもっている力というのを強調しているんです。九条はボロボロだと民主党の人たちもいうんだけれど、ボロボロだったら、なんで改憲する必要があるのか(笑い)。必要がないわけなんですよね。
 志位 そうですよ。
 渡辺 たしかに自衛隊はイラクのサマワに行ったけれども、迫撃砲が撃たれたら陣地にこもらざるをえない。それは自衛隊が武力行使できないという解釈に依然として強く縛られているからですが、そういう解釈は、自衛隊が決して好んでやったわけではないし、自民党政権が平和主義的だったからでもなくて、憲法九条を擁護しようという運動と国民意識のなかで、自民党が余儀なく積み重ねてきたものだと思います。
 志位 そうだと思います。自民党政府がつくった海外派兵法で、周辺事態法(九九年)、テロ特措法(〇一年)、イラク派兵法(〇三年)、どれも最後の一線として「対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない」という文言が入っている。九条があるためです。
 渡辺 そういう九条とそれを支える運動の力で、武器輸出三原則が国会決議としてある。日本経団連は改正したいと言っているけれども、武器輸出禁止の原則というのは厳然として残っている。日本の大企業は武器輸出ができないため、軍需産業に手を出せないでいる。非核三原則も、いろんな穴があるけれども、国会で決議しているだけに、核を持ち込んだとしても非常に限定されたところでしか持ち込めない。防衛費も量的制限があるし、九条が持っている力は、自衛隊が海外で武力行使できないだけでなくて、いろんな形で縛っているんです。
 志位 くわえれば徴兵制が敷けないということも大きいと思います。歯止めというなら、九条そのものが最大の歯止めですね。
■国民多数の思いと「九条の会」の運動   
 志位 作家の小田実さんが「九条の会」の講演で、「九条、今でも旬」じゃなくて、「九条、今こそ旬」だといわれました。あれは、非常にいい。私は、好きですね。
 渡辺 「九条の会」が大きな運動として展開している背景には、やはり九条の改憲に反対する思いが相当強く存在していると思います。「毎日」の世論調査でも、62%の人は九条改正に反対という数字が出ていました。しかし、問題なのは、こうした潜在的な国民の多数の思いが今まで形になる方法がみつからなかった点です。どんな形で自分たちが声を発するか、そういう場とか組織がなかった。共産党や社民党、いろんな平和運動の組織など一生懸命がんばっている運動・組織はありましたが、そのもう一つ外側に、自分はそうした運動や組織にはちょっと、という人たちが潜在的に、分厚く取り巻いていたと思うのです。
 「九条の会」はそういう人々に、強い呼びかけをしたと思います。自分の思いを持っていたのだけれど、どういう形で表現していいのかわからない人たちがかなり参加している。組織形態としては、ある意味では「勝手連」的な組織なのですけれど、三千六百の「九条の会」には千差万別、いろいろなタイプがあるようです。これは研究の対象になるのではないかと思います(笑い)。地域、それもいろんなレベルの地域、それから女性だとか映画人、マスコミ、宗教者、科学者、詩人などのグループ、それに職場。僕らが働いている大学の中にもある。
 志位 先生と学生が一緒につくっている。
 渡辺 六〇年安保のときに、岸信介首相が「声なき声は自分を支持している」といったのにたいして、安保条約改定に反対する人たちでつくる「声なき声の会」が中野や杉並で出てきたのですけれども、いまの「九条の会」は「声なき声の会」みたいなのが、現代の運動のネットワークのなかで形にとらわれないでできたという点ですごく注目されます。九条改憲を阻止するために、国民の多数を結集する運動を、最も広いところで支えるのがこの「九条の会」かなと思います。「九条の会」に何でもかんでも押しつけるのではなく、うんと広い人たちがとにかく声を上げることが大切です。
 志位 この運動には、国民自身がつくりあげていくすばらしい創意と発展性を感じます。私たちも、この運動の一翼をになって、文字どおり国民多数の平和の思いを結集する運動として、大きく広がるように、一緒に力をつくす決意です。
(つづく)
新春対談(下)→
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 わたなべ・おさむ 1947年東京生まれ。東大法学部卒業、同社会科学研究所助教授を経て、現在、一橋大学大学院教授、「九条の会」事務局。『日本国憲法「改正」史』『戦後政治史の中の天皇制』『講座現代日本1 現代日本の帝国主義化』『日本の大国化とネオナショナリズムの形成』『増補 憲法「改正」―軍事大国化・構造改革から改憲へ』『講座改革政治の時代―小泉政権論』など著書多数
 しい・かずお 1954年千葉県生まれ。73年日本共産党に入党。79年東大工学部物理工学科卒業。党都委員会、中央委員会勤務を経て、90年に書記局長、2000年に幹部会委員長に選出。93年衆院議員に初当選し、現在5期目。著書に『希望ある流れと日本共産党』『歴史の激動ときりむすんで―日本改革への挑戦』『民主日本への提案』など。
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ペシャワールの会が語る「丸腰の強さ」

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少し古いですが興味深い記事を見つけましたので紹介します。
at.nakajcp:HN
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http://www.news.janjan.jp/living/0511/0511185314/1.php
「九条の会徳島」が11月3日に発足しました。約1000人が参加した「結成のつどい」(主催=「九条の会徳島」結成準備会)が徳島文化センターで行われました。参加者の中、こうした政治集会では顔を合わせたことのない人をたくさん見かけました。
 九条の会徳島は、故三木武夫元首相夫人・睦子さんや県内の前知事、保険医協会理事長、弁護士、大学教授、文化人ら28名の呼び掛け人と400人を超える世話人がいるそうです。会の幹事団には、労働組合では連合系と全労連系の関係者が、県議では民主系、県民ネット、共産党の3会派の関係者が入っています。職業・立場が異なる人々が「9条」というつながりを持っています。結成の集いで「競合する」2つの生協代表が隣同士で並んでいたのも象徴的です。
 「結成のつどい」では、パキスタンとアフガニスタンで医療活動をしている日本のNGO「ペシャワールの会」事務局長代理・福元満治さんが、「国際貢献と憲法第9条」と題した講演を行いました。
 医師・中村哲さんが1984年にパキスタンのペシャワールに赴任したことをきっかけに、「ペシャワールの会」が立ち上げました。以来、20年にわたりハンセン病コントロール計画を柱にした活動を行い、貧民層の治療に携ってきました。1986年からはアフガン難民のための事業を開始、アフガン北東部の3カ所の診療所を中心に、山岳無医村での医療活動を続けています。2000年より、大かんばつに見舞われたアフガニスタンでの水源確保のため、潅漑事業を継続して行っています。
 福元さんは、今年3月と5月の2回アフガニスタン入り、地元の実情を見てきました。講演の中で、福元さんはペシャワールの会の経験から、海外援助事業における「丸腰の強さ」について話しました。以下、印象に残った話を紹介します。
 ◇
 ―象徴的な出来事―
 ペシャワールの会が作業している用水路に並行して、トルコの団体が米軍の軍用道路をつくっている。兵隊に守られながら工事をしているが、知っている限り、二度攻撃されて三人が殺された。丸腰の強さを現地にいると痛感している。
 ―アフガンの人は親日的だったが・・・・・・―
 憲法九条じたいを知らなくても、日本はかつてこの国を攻撃していないことやヒロシマ・ナガサキをよく知っており、そこから復興したことも知っているからだ。われわれも作業トラックに日の丸を書いて、安全に作業して来た。ところが自衛隊のインド洋派遣いらい、米軍と同じとみなされて攻撃されかねなくなったので、トラックの日の丸を消して作業するようにした。
 ―軍事によらないからこそ―
 ペシャワールの会は医療活動からはじめたのだが、きれいな水があれば、抗生物質もそれだけ必要でなくなると気づき、井戸掘りや用水路づくりをするようになった。井戸は1500本できた。
 用水路は江戸時代の工法でやっている。これならいまの工事も将来の維持補修もアフガン人じしんがやれるからだ。1,000人を雇用した。1,000人にはそれぞれ約10人の家族がいるので1万人の生活が支えられることになる。全長14kmの灌漑用水路が完成すれば約10万人の暮らしがたってゆく。もしこの雇用がなければ、人々は軍閥や米軍の傭兵になるか、難民になるしかなく、治安の不安定化につながる。
 ―丸腰の安全保障―
 このような事業が日本人への信頼につながり、軍事によらない日本人の、いわば丸腰の安全保障になっているのではないか。
(こんどうひでとし)

自衛隊のイラク派兵差止等請求控訴事件、名古屋高裁違憲判決(全文)

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10月21日、9条の会例会に参加し、弁護士さんの話がとても興味深いものでしたので「判決全文」を探してみました、見つけましたので公開しておきます(HN:nakajcp)
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自衛隊のイラク派兵差止等請求控訴事件名古屋高裁違憲判決(全文)(判決:2008年4月17日・確定:2008年5月2日)
平成20年4月17日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官平成18年(ネ)第499号 自衛隊のイラク派兵差止等請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成16年(ワ)第695号,同第1458号,同第2632号,同第4887号,平成17年(ワ)第2956号)口頭弁論終結日 平成20年1月31日          判         決当事者の表示      別紙当事者目録記載のとおり主         文1  本件控訴をいずれも棄却する。2  控訴費用は控訴人らの負担とする。事 実 及 び 理 由第1  当事者の求めた裁判1  控訴人ら(1) 原判決を取り消す。(2) 別紙当事者目録別紙控訴人目録2記載の控訴人ら(以下「控訴人池住ら」という。)の請求ア 被控訴人は,イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(以下「イラク特措法」という。)により,自衛隊をイラク及びその周辺地域並びに周辺海域に派遣してはならない。イ 被控訴人がイラク特措法により,自衛隊をイラク及びその周辺地域に派遣したことは,違憲であることを確認する。(3) 控訴人ら全員(別紙当事者目録別紙控訴人目録1に記載)の請求被控訴人は, 控訴人それぞれに対し,各1万円を支払え。(4) 訴訟費用は,第1, 2審とも被控訴人の負担とする。2  被控訴人主文と同旨第2  事案の概要1  本件は, 被控訴人がイラク特措法に基づきイラク及びその周辺地域に自衛隊を派遣したこと(以下「本件派遣」という。また,以下,イラク共和国及びその周辺地域のことを単に「イラク」ということがある。)は違憲であるとする控訴人らが, 本件派遣によって平和的生存権ないしその一内容としての「戦争や武力行使をしない日本に生存する権利」等(以下,一括して「平和的生存権等」ということがある。)を侵害されたとして,国家賠償法1条1項に基づき,各自それぞれ1万円の損害賠償を請求するとともに(以下「本件損害賠償請求」という。),控訴人池住らにおいて,本件派遣をしてはならないこと(以下「本件差止請求」という。)及び本件派遣が憲法9条に反し違憲であることの確認(以下「本件違憲確認請求」という。)を求めた事案である。原判決は,控訴人池住らの本件差止請求及び本件違憲確認請求にかかる訴えは不適法であるとして訴えを却下し,控訴人らの本件損害賠償請求については請求を棄却したところ,控訴人らが控訴した。2  前提事実(公知の事実,当裁判所に顕著な事実等)(1) 平成15年7月26日,第156回国会において,4年間の時限立法であるイラク特措法(平成15年法律第137号)が可決成立し,同年8月1日,公布,施行された。(2) 内閣は,平成15年12月9日, 同法に基づく人道復興支援活動又は安全確保支援活動(以下「対応措置」という。)に関する基本計画(以下単に「基本計画」ということがある。)を閣議決定した。(3) 防衛庁長官(平成18年12月法律118号による改正以前。以下同様。)は,基本計画に従って,対応措置として実施される業務としての自衛隊による役務の提供について実施要項を定め,これについて内閣総理大臣の承認を得て,自衛隊に準備命令を発するとともに, 航空自衛隊先遣隊に派遣命令を発して,これを同月26日からイラク, クウェート国(以下「クウェート」という。)へ派遣し,その後,陸上自衛隊に派遣命令を発して,これを平成16年1月16日からイラク南部ムサンナ県サマワに派遣するなど,自衛隊をイラクに派遣した。(4) 陸上自衛隊は,平成18年7月17日,サマワから完全撤退した。しかし,航空自衛隊は,その後, クウェートからイラクの首都バグダッド等へ物資・人員の空輸活動を継続している(平成18年8月に基本計画の一部変更を閣議決定)。(5) 平成19年6月20日,第166回国会において,イラクへの自衛隊派遣を2年間延長することを内容とする改正イラク特措法(平成19年法律第101号)が可決成立し,現在も航空自衛隊の空輸活動が行われている。3  当事者の主張別紙のとおり第3  当裁判所の判断1 当裁判所も,控訴人池住らの本件違憲確認請求及び本件差止請求にかかる訴えはいずれも不適法であるから却下すべきであり,控訴人らの本件損害賠償請求はいずれも棄却すべきであると判断するが,その理由は以下のとおりである。2 本件派遣の違憲性について(1) 認定事実公知の事実,当裁判所に顕著な事実に加え,証拠(各箇所に掲記のもの)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。ア イラク攻撃及びイラク占領等の概要(ア) 平成15年3月20日,イラクのサダム・フセイン政権(以下「フセイン政権」という。)が大量破壊兵器を保有しており,その無条件査察に応じないことなどを理由として, 国際連合(以下「国連」という。)の決議のないまま,アメリカ合衆国(以下「アメリカ」という。)軍,英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)軍を中心とする有志連合軍がイラクへの攻撃を開始した(以下,これを「イラク攻撃」という。)。これにより,間もなくフセイン政権が崩壊し,同年5月2日,アメリカのブッシュ大統領がイラクにおける主要な戦闘の終結を宣言した。(イ) フセイン政権の崩壊後,アメリカ国防総省・復興人道支援室(office of Reconstruction and Humanitarian Assistance。以下「ORHA」と略称する。)がイラクを統治し,平成15年5月,国連の安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議1483号(加盟国にイラクでの人道,復旧・復興支援並びに安定及び安全の回復への貢献を要請するもの)が採択されたことを受け,アメリカを中心とする連合国暫定当局(Coalition Provisional Authority。以下「CPA」と略称する。)がORHAからイラクの統治を引き継いだ。なお,イラク特措法は,この国連安保理決議1483号を踏まえ,イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うものとして(同法1条),同年7月に制定されたものである。(ウ) 平成16年6月1日,イラク暫定政府が発足し,同月9日,国連安保理において決議1546号が全会一致で採択され(イラク暫定政府設立の是認,占領の終了及びイラクの完全な主権の回復の歓迎,国連の役割の明確化,多国籍軍の任務の明確化等を内容とする。),同月28日には,CPAから主権移譲が行われた。これに伴い,多国籍軍が発足し,この多国籍軍に日本の自衛隊も参加することになった。(エ) その後,平成17年1月30日,イラク暫定国民議会の議員を選出する選挙が実施され,同年4月28日,移行政府が発足した。同年8月28日, イラク国民議会でイラク新憲法草案が採択され,同年10月15日に同憲法草案の国民投票が実施され, 同月25日までの開票の結果,これが承認された。同年12月15日,新憲法下でイラク国民議会の選挙が実施され,平成18年5月20日には,イラクにイスラム・シーア派(以下単に「シーア派」という。)のマリキ首相を首班とする正式政府が発足して,これによりイラクは主権を回復した。しかし, その後も,イラク政府の要請により,多国籍軍がイラクに駐留している。(オ) もっとも, 当初のイラク攻撃の大義名分とされたフセイン政権の大量破壊兵器は,現在に至るまで発見されておらず,むしろこれが存在しなかったものと国際的に理解されており,平成17年12月には,プッシュ大統領自身も,大量破壊兵器疑惑に関する情報が誤っていたことを認めるに至っている。(カ) イラク攻撃開始当初の有志連合軍及びCPAからの主権委譲後の多国籍軍に参加したのは,最大41か国であり,いわゆる大国のうち,フランス共和国,ロシア連邦, 中華人民共和国, ドイツ連邦共和国等は加わっておらず,イラク攻撃への国際的な批判が高まる中,参加国も次々と撤収し,現在(当審における口頭弁論終結時)の参加国は,アメリカ,英国及び我が国を含めて21か国となっている。イ イラク各地における多国籍軍の軍事行動(ア) ファルージャイラク中部のファルージャでは,平成16年3月,アメリカ軍雇用の民間人4人が武装勢力に惨殺されたことから,同年4月5日,武装勢力掃討の名の下に,アメリカ軍による攻撃が開始され,同年6月以降は,間断なく空爆が行われるようになった。同年11月8日からは, ファルージャにおいて,アメリカ軍兵士4000人以上が投入され,クラスター爆弾並びに国際的に使用が禁止されているナパーム弾, マスタードガス及び神経ガス等の化学兵器を使用して,大規模な掃討作戦が実施された。残虐兵器といわれる白リン弾が使用されたともいわれる。これにより,ファルージャ市民の多くは, 市外へ避難することを余議なくされ, 生活の基盤となるインフラ設備・住宅は破壊され, 多くの民間人が死傷し,イラク暫定政府の発表によれば,死亡者数は少なく見積もって2080人であった。(以上, 甲B5の6, 7の2,8の1ないし11, 9の1ないし11,13の5・11,36, 160)(イ) 首都バグダッドa 平成16年6月のイラク暫定政府発足後,首都バグダッドにおいて,政府高官を狙った自爆攻撃等が相次いで多数の者が死傷し,武装勢力による多国籍軍に対する攻撃も相次ぎ,同月27日及び同年7月末,いずれもバグダッド空港離陸直後にC130輸送機が銃撃を受け,アメリカ人とオーストラリア人の乗組員2人が死亡した。また,平成17年1月30日には,バグダッド近郊を低空で飛行していた英国軍のC130輸送機が,武装勢力(アンサール・イスラム=イスラムの支援者が実行の声明を発したが,実際はイスラム・スンニ派(以下単に「スンニ派」という。)の武装組織ともいわれる。)により撃墜され,乗員全員(少なくとも10人)が死亡する事件が生じた。さらに,バグダッドでは,多国籍軍と武装勢力との衝突が頻繁に生じていた。このような事態を受けて,多国籍軍は,バグダッドにおいて,武装勢力に対する大規模な掃討作戦を展開するに至った。b 平成17年5月29日, アメリカ軍約1万人,イラク軍約4万人を動員して大規模な掃討作戦が行われた。しかし, 武装勢力を掃討することはできず, 却ってバグダッドの治安が悪化した。そこで,多国籍軍は,バグダッド及びその周辺における掃討作戦を強化させ,平成18年8月からはアメリカ兵約1万5000人をバグダッドに集中させて,掃討作戦を行うなどした。c 多国籍軍は,バグダッド市内において,宗派対立等による武装勢力同士の衝突 が激しくなったことを受けて,平成18年末ころからこれらに対する掃討作戦を実施して,その回数を増やし,アメリカ軍もこのころイラク駐留軍を増派した。アメリカ軍は,平成19年1月22日,イラク治安部隊と共同で行った過去45日間の掃討作戦の結果を発表したが,この発表によれば,シーア派民兵に対して52回,スンニ派民兵に対して42回の掃討作戦を実施し,シーア派の強行派といわれるムクタダ・サドル師派(以下「サドル師派」という。)の民兵600人を拘束したものであった。同月24日には,バグダッド中心部のハイファ通りでスンニ派に対して猛攻撃を加え,同日だけで30人を殺害した。d 同年2月14日,アメリカ軍は,イラク治安部隊とともに, 合計9万人を投入して,イラク戦争開始以来最大規模の作戦といわれ「法の執行作戦」と名付けられた掃討作戦をバグダッドにおいて実施し,多数の一般市民が犠牲となった。e アメリカ軍は,同年8月8日,バグダッドのシーア派居住区であるサドル・シティを空爆し,イランからの爆弾輸送に関与していた武装勢力30人を殺害したと発表したが,イラク警察は,女性や子どもを含む11人が死亡したと発表している。同年9月6日には,バグダッドのマンスール地区を空爆したが,その中でもサドル師派の民兵が活動し,シーア派住民が多いワシャシュ地域を攻撃し,少なくとも14人が死亡した。同年10月21日には,サドル・シティを攻撃し, 市民13人が死亡した。f このように,アメリカ軍を中心とする多国籍軍は,時にイラク軍等と連携しつ つ掃討作戦を行い,特に平成19年に入ってから,バグダッド及びその周辺において, たびたび激しい空爆を行い,同年中にイラクで実施した空爆は, 合計1447回に上り, これは前年の平成18年の約6倍の回数となるものであった。g アメリカ軍は, 平成20年1月8日から,イラク軍とともに,イラク全土で大規模な軍事作戦「ファントム・フェニックス」を開始し,同月10日からは,その一環として,バグダッド南郊において大規模な集中爆撃を行い,40箇所に爆弾を投下した。(以上,甲B21の5,143の1・7・10, 146, 156の1の1, 156の4・5)(ウ) その他の地域多国籍軍は,平成16年中に,イラク国内のマハムディヤ,マッサーラ,ラマディ,モスル等において, 1000人規模の兵士を投入した掃討作戦を実施した。特に,モスルでは,同年11月14日から,大規模な掃討作戦を実施し,平成17年1月8日,アメリカ軍のF16戦闘機が500トンの爆弾を投下し,民家を爆撃して住民5人が死亡した。多国籍軍は,平成17年には,カイム,ハディーサ,タルアファル等において,大規模な掃討作戦を実施し,同年9月10日のタルアファルでの攻撃にはアメリカ軍及びイラク治安部隊併せて約8500人が動員された。同年10月16日,スンニ派の地域といわれるラマディにおいて空爆を行い,武装勢力70人を殺害したと発表したが,実際は少なくとも39人が一般市民であったとも報じられている。平成19年8月には,アメリカ軍がイラク中部のサマラにおいて,武装勢力からの攻撃を受けた後に民家をミサイルで爆撃し, 女性2人,子ども5人が死亡した。(以上甲B21の5,22の1ないし3,35の1・3・5ないし9・14ないし16,38の1, 143の9)ウ 武装勢力について(ア) ところで, 多国籍軍による上記のような掃討作戦の対象となったことがあると認められる武装勢力には, 思想や宗派を問わず様々なものがあるが,有力な武装勢力として,少なくとも次のものが認められ, 互いに協力又は対立の関係に立ちつつ,時として海外の諸勢力から援助を受けつつ,その活動を行っているものと認められる。a フセイン政権の残党平成15年5月のブッシュ大統領による主要な戦闘終結宣言の後にも, イラク国内には,旧フセイン政権の軍人等からなる反政府武装勢力が残存しており,その実体は不明な点が多いが,海外に拠点を置きつつ,イラク国内においてゲリラ戦を行っているとみられる。平成16年4月及び同年11月になされたファルージャにおける掃討作戦では,実はこの反政府武装勢力が対象であったともいわれており,現在も,スンニ派の一部と連携し, バグダッド市内の一部を実質支配していると見られている。b シーア派のサドル師派フセイン政権崩壊後,シーア派強硬派のムクタダ・サドル師が率いる民兵組織「マフディ一軍」が,各地で多国籍軍と武力衝突しており,特に,イラク中部のナジャフにおいて,平成16年8月,戦車やヘリコプターを用いた大規模な武力衝突が生じたとされている。サドル師派においては,社会福祉事業,交通警備等の公共事業の場で自発的に労働する150万人のイラク人を動員できるとの報告もあり,日本においても,同年4月の時点で,内閣法制局が,当時の福田内閣官房長官に対し,マフディー軍を「国に準じるもの」に該当する旨報告していた。なお,シーア派には,フセイン政権時代から反フセイン・ゲリラ部隊を有しており, 現在はマリキ政権を支える最大組織「イラク・イスラム革命最高評議会」があり,サドル師派との問で宗派内対立の状況にある。c スンニ派武装組織シーア派に対抗するスンニ派にも反米,反占領を掲げる武装組織があり, 特に,その中のアンサール・アル・スンナ軍は,イラク西部のラマディやヒートを中心とするスンニ派住民の多いアンバル州一帯を拠点とし,アメリカ軍やイラク軍に兵器で敵対するほか,シーア派やクルド人を襲撃するなどの過激な武力闘争を展開している。平成17年5月に日本人を拘束したのも, アンサール・アル・スンナ軍であるといわれている。(以上甲B17の4の1・2, 19の1・2, 21の2・4)(イ) 武装勢力の兵員数についてイラクにおいて反政府武装勢力とされる者らの人数は, 平成15年11月に5000人, 16年11月に2万人, 17年11月に2万人, 18年11月に2万5000人,シーア派民兵の数は,平成15年11月に5000人, 16年11月に1万人, 17年11月に2万人, 18年11月に5万人といわれ,年々増加している. (甲B113)(ウ) 武装勢力の用いたとされる強力兵器について現地においては,次のような内容の報道がなされている(なお,以下の武器を使用したとされるのが,具体的にどの武装勢力であるかは,証拠上必ずしも明らかではない。)。a ファルージャにおける平成16年11月の掃討作戦においては,武装勢力の側においても,多連型カチューシャ・ロケットの架台を積んだ車両を用い, フアルージャに近いカルマとサクラーウィーヤにおいて,グラーダやリーリク・ミサイル約160発をアメリカ軍の集結地に発射した。b 平成16年11月21日午前8時15分ころ,バグダッドの北方のバラドにあり,アメリカ兵2500人が駐留するバクルアメリカ軍基地に, 化学物質の弾頭を装備したロケット弾4発を打ち込まれ,アメリカ兵270人以上が死亡した。抵抗勢力は,過去にもハバーニーヤ,ハドバ,ラマディ,モスル, ドウェイリバの各アメリカ軍基地の攻撃に化学兵器を使用した。c イスラム抵抗勢力の報道官は,平成16年12月15日,フアルージャにおいて敗走するアメリカ兵を,軽火器とBKS,クラシニコフ銃,RBG携行型ロケットを遣って追撃した,本日少なくとも500人のアメリカ兵を殺害し, 100両以上の戦車と装甲車を破壊したと述べた。(以上,甲B9の1・6・ll)エ 宗派対立による武力抗争(ア) 平成18年2月, スンニ派のテロ組織がシーア派聖地サーマッラーのアスカリ廟を爆破し,シーア派・スンニ派の両派が抗議デモを起こしたが,聖廟破壊に怒ったシーア派武装勢力がスンニ派のモスクなどを襲撃して衝突し, 200人以上が死亡する事件が起こった。(イ) 平成18年11月ころには,首都バグダッドでシーア派とスンニ派との対立が激化し,街を二分して双方から迫撃砲が飛び交う状況となり,マフディ軍がスンニ派地区へ迫撃砲を同月初旬の1週間に47発撃ち込み,スンニ派武装勢力のイラク・イスラム軍が,シーア派地区に迫撃砲44発,ロシア製ミサイル4発を打ち込んだ。また, 同月から12月にかけて,バグダッドのシーア派地区で連続爆弾テロが発生し,マフディ軍が治安維持に乗り出してテロは収まったものの,アメリカ軍がマフディ軍をアルカイダ以上の脅威とみなして,本格的に掃討を進め, 民兵600人と幹部16人を拘束した。そこで,平成19年1月になってマフディ軍が一時活動を停止したところ,その隙を狙ってスンニ派の武装勢力がシーア派地区で爆弾テロを繰り返し,同年2月3日,バグダッドの市場でテロが発生し,135人の死者が出た。(ウ) フセイン政権下では,暴力的な宗派対立は殆どなかったが,フセイン政権の崩壊により重しが取れ,占領政策の稚拙さとも相俟って,上記のような武力抗争を伴う激しい宗派対立が生じるようになったものといわれており,多国籍軍はこれらに対応せざるを得ず,前記のとおり,特に平成19年になってから,バグダッド等の都市への掃討作戦が一層激しくなったものと理解される。(以上,甲B47, 114,125, 158の1)オ 多数の被害者(ア) イラク人世界保健機関(WHO)は,平成18年11月9日,イラク戦争開始以来,イラク国内において戦闘等によって死亡したイラク人の数が15万1000人に上ること,最大では22万3000人に及ぶ可能性もあることを発表し,イラク保健省も,このころ,アメリカ軍侵攻後のイラクの死者数が10万人から15万人に及ぶと発表した。なお,平成18年10月12日発行の英国の臨床医学誌ランセットは,横断的集落抽出調査の結果を基にして,イラク戦争開始後から平成18年6月までの間のイラクにおける死者が65万人を超える旨の考察を発表している。平成19年の死亡者については,NGO 「イラク・ボディ・カウント」が同年中の民間人犠牲者数は約2万4000人に上っていると発表した。イラク政府発表の死亡者数も,同年6月1241人, 同年7月1652人,同年8月1771人であることからして,上記約2万4000人という死亡者数は信憑性が高いといわれている。また,イラクの人口の約7分の1にあたる約400万人が家を追われ,シリアには150万人ないし200万人, ヨルダンには50万人ないし75万人が難民として流れ,イラク国内の避難民は200万人以上になるといわれている。(甲B42の1・2, 142の2・3, 156の3, 158の3)(イ) アメリカ軍の兵員等平成19年8月の時点で多国籍軍の兵士の死者数が4000人を超えたと報道され,アメリカ国防総省の発表によれば,イラク戦争開始以来現在までのアメリカ軍の死亡者は,約4000人であり,重傷者は1万3000人を超えている。特に,平成19年に死亡した米軍兵士は,同年11月の時点で852人に上り,それまで最も多かった平成16年の849人を超えて,過去最高となっている。(甲B142の2, 143の8, 156の1の2)カ 戦費・兵員数イラク攻撃開始後,イラク駐留アメリカ軍の兵員数は概ね13万人から16万人の間で推移しており,アメリカのイラクにおける戦費は4400億ドルに達する見込みであり,イラク関連の歳出としてはベトナム戦争の戦費(貨幣価値換算で約5700億ドル)を上回ったともいわれている。キ 航空自衛隊の空輸活動(ア) 輸送機について航空自衛隊は,イラクにおける輸送活動にC-130H輸送機3機を用いているが,これはアメリカ軍が開発したパラシュート部隊のための輸送機であり,その輸送能力については,完全武装の空挺隊員(パラシュート隊員) 64人を輸送することが可能であり, 物資については最大積載量が約20トンである。(甲B10 (平成17年3月14日参議院予算委員会における大古政府参考人の答弁,同大野防衛庁長官の答弁), 57)(イ) フレアの装備と事前訓練後記のとおり,現在,航空自衛隊のC-130H輸送機は, バグダッド空港への輸送活動を行っているが,飛行の際に地対空ミサイルを回避するための兵器であるフレア(火炎弾)を臨時装備しており(フレアは制式兵器ではない。),イラクへの出発前, 硫黄島においてフレア訓練を実施しており,実際にバグダッド空港での離着陸時にフレアが自動発射されている。(甲B46,57, 141の2, 147, 161,当審における山田朗証人)(ウ) 空輸活動についての多国籍軍との連携航空自衛隊は,C-130H輸送機3機の空輸活動にあたり,中東一帯の空輸調整を行うカタール国(以下「カタール」という。)のアメリカ中央軍司令部に空輸計画部を設置し,アメリカ軍や英国軍と機体のやりくりを調整して飛行計画を立て,クウェートのアリ・アルサレム空港(アメリカ空軍基地)を拠点とする上記3機に任務を指示している。(甲B145)(エ) 平成18年7月ころ(陸上自衛隊のサマワ撤退時)までの空輸状況航空自衛隊のC-130H輸送機は,平成16年3月2日から物資人員の輸送を行っているところ,クウェートのアリ・アルサレム空港からイラク南部のタリルまで,週に4回前後, 物資のほかアメリカ軍を中心とする多国籍軍の兵員を輸送した。その数量は,平成17年3月14日までに,輸送回数129回,輸送物資の総量230トン, 平成18年5月未までに,輸送回数322回で,輸送物資の総量449.2トン,同年8月4日までに, 輸送回数352回,輸送物資の総量479.4トンとなる。したがって, 輸送の対象のほとんどは,人道復興支援のための物資ではなく, 多国籍軍の兵員であった。(甲B10 (平成17年3月14日参議院予算委員会における大野防衛庁長官の答弁),43,62の9, 78 (平成18年8月11日衆議院特別委員会における山崎政府参考人の答弁), 118)(オ) 平成18年7月から現在までの空輸状況航空自衛隊のイラク派遣当初は,首都バグダッドは安全が確保されないとの理由で,バグダッドへは物資人員の輸送は行われなかったが,陸上自衛隊のサマワ撤退を機に,アメリカからの強い要請により,航空自衛隊がバグダッドへの空輸活動を行うことになり,平成18年7月31日,航空自衛隊のC-130H輸送機が,クウェートのアリ・アルサレム空港からバグダッド空港への輸送を開始した。以後,バグダッドへ 2回, うち1回は更に北部のアルビルまで,タリルへは2回,それぞれ往復して輸送活動をするようになり,その後,週4回から5回,定期的にアリ・アルサレム空港からバグダッド空港への輸送を行っている。平成18年7月から平成19年3月末までの輸送回数は150回,輸送物資の総量は46.5トンであり,そのうち国連関連の輸送支援として行ったのは,輸送回数が25回で,延べ706人の人員及び2.3トンの事務所維持関連用品等の物資を輸送しており(平成19年4月24日衆議院本会議における安倍首相の答弁),それ以外の大多数は,武装した多国籍軍(主にアメリカ軍)の兵員であると認められる。(甲B37,43, 62の9, 78, 123, 134, 141の1・5)(カ) 政府の情報不開示と政府答弁a 政府は,国会において,航空自衛隊の輸送内容について,多国籍軍や国連からの要請により,これを明らかにすることができないとしており(平成19年5月11日,同月14の衆議院イラク特別委員会における久間防衛大臣の答弁),行政機関の保有する情報の公開に関する法律により国民からなされた行政文書開示請求に対しても,顕微鏡・心電図・保育器などの医療機器を空輸した1件(甲B18の2, 1枚目)以外は,全て黒塗りの文書を開示するのみで,航空自衛隊の輸送内容を明らかにしない。(甲B18の2, 34,44, 110)b 他方で, 久問防衛大臣は,国会において, 「実は結構危険で工夫して飛んでいる」(平成19年5月14日衆議院イラク特別委員会),「刃の上で仕事しているようなもの」(同年6月5日参議院外交防衛委員会), 「バグダッド空港の中であっても,外からロケット砲等が撃たれる,迫撃砲等に狙われるということもあり,そういう緊張の中で仕事をしている」, 「クウェートから飛び立ってバグダッド空港で降りる,バグダッド空港から飛び立つときにも,ロケット砲が来る危険性と裏腹にある」(同月7日参議院外交防衛委員会), 「飛行ルートの下で戦闘が行われているときは上空を含め戦闘地域の場合もあると思う」(同月19日参議院外交防衛委員会),などと答弁している。(2) 憲法9条についての政府解釈とイラク特措法ア 自衛隊の海外活動に関する憲法9条の政府解釈は,自衛のための必要最小限の武力の行使は許されること(昭和55年12月5日政府答弁書),武力の行使とは,我が国の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいうこと(平成3年9月27日衆議院PKO特別理事会提出の政府答弁)を前提とした上で,自衛隊の海外における活動については,① 武力行使目的による「海外派兵」は許されないが,武力行使目的でない「海外派遣」は許されること(昭和55年10月28日政府答弁書),② 他国による武力の行使への参加に至らない協力(輸送,補給,医療等)については, 当該他国による武力の行使と一体となるようなものは自らも武力の行使を行ったとの評価を受けるもので憲法上許されないが,一体とならないものは許されること(平成9年2月13日衆議院予算委員会における大森内閣法制局長官の答弁),③ 他国による武力行使との一体化の有無は, ○ア戦闘活動が行われているか又は行われようとしている地点と当該行動がなされる場所との地理的関係,○イ当該行動の具体的内容,○ウ他国の武力行使の任に当たる者との関係の密接性,○エ協力しようとする相手の活動の現況,等の諸般の事情を総合的に勘案して,個々的に判断されること(上記大森内閣法制局長官の答弁),を内容とするものである。イ そして,イラク特措法は,このような政府解釈の下,我が国がイラクにおける人道復興支援活動又は安全確保支援活動(以下「対応措置」という。)を行うこと(1条),対応措置の実施は,武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならないこと(2条2項),対応措置については,我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為)が行われておらず,かつ,そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる一定の地域(非戦闘地域)において実施すること(2条3項)を規定するものと理解される。ウ 政府においては,ここにいう「国際的な武力紛争」とは,国又は国に準ずる組織の間において生ずる一国の国内問題にとどまらない武力を用いた争いをいうものであり(平成15年6月26日衆議院特別委員会における石破防衛庁長官の答弁),戦闘行為の有無は,当該行為の実態に応じ,国際性, 計画性,組織性,継続性などの観点から個別具体的に判断すべきものであること(平成15年7月2日衆議院特別委員会における石破防衛庁長官の答弁),全くの犯罪集団に対する米英軍等による実力の行使は国際法的な武力紛争における武力の行使ではないが(平成15年6月13日衆議院外務委員会における山本内閣法制局第二部長の答弁,同年7月2日衆議院イラク特別委員会, 同月10日参議院外交防衛委員会における秋山内閣法制局長官の答弁),個別具体的な事案に即して,当該行為の主体が一定の政治的な主張を有し, 国際的な紛争の当事者たり得る実力を有する相応の組織や軍事的実力を有する組織体であって, その主体の意思に基づいて破壊活動が行われていると判断されるような場合には,その行為が国に準ずる組織によるものに当たり得ること(上記秋山内閣法制局長官の答弁),国内治安問題にとどまるテロ行為,散発的な発砲や小規模な襲撃などのような,組織性,計画性, 継続性が明らかでない偶発的なものは,全体として国又は国に準ずる組織の意思に基づいて遂行されているとは認められず,戦闘行為には当たらないこと,国又は国に準ずる組織についての具体例として,フセイン政権の再興を目指し米英軍に抵抗活動を続けるフセイン政権の残党というものがあれば,これに該当することがあるが,フセイン政権の残党であったとしても, 日々の生活の糧を得るために略奪行為を行っているようなものはこれに該当しないこと(平成15年7月2日衆議院特別委員会における石破防衛庁長官の答弁),非戦闘地域イコール安全な地域を意味するわけではなく,米軍が指定するコンバットゾーンが戦闘地域と同義でもないこと(平成15年6月25日衆議院特別委員会における石破防衛庁長官の答弁,平成18年8月11日衆議院特別委員会における麻生外務大臣の答弁・甲B77の2),等の見解が示されている。(3) 以上を前提として検討するに,前記認定事実によれば,平成15年5月になされたブッシュ大統領による主要な戦闘終結宣言の後にも,アメリカ軍を中心とする多国籍軍は,ファルージャ,バグダッド,ラマディ等の各都市において,多数の兵員を動員して,時に強力な爆弾,化学兵器,残虐兵器等を用い,あるいは戦闘機で激しい空爆を繰り返すなどして,武装勢力の掃討作戦を繰り返し行い,武装勢力の側も, 時としてこれに匹敵する強力な兵器を用い,あるいは相応の武器を用いて応戦し,その結果, 双方に多数の死者が出るなどしてきているのみならず, 子どもたちを含む民間人を多数死傷させ,民家を破壊し,都市機能を失わせ,多数の者が難民となって近隣諸国へ流出することを余儀なくさせるなどの重大かつ深刻な被害を生じさせているものである。そして,これら掃討作戦の標的となったと認められるフセイン政権の残党, シーア派のマフディ軍,スンニ派の過激派等の各武装勢力は, いずれも,単に,散発的な発砲や小規模な襲撃を行うにすぎない集団ではなく,日々の生活の糧を得るために略奪行為を行うような盗賊等の犯罪者集団であるともいえず,その全ての実体は明らかでないものの,海外の諸勢力からもそれぞれ援助を受け,その後ろ盾を得ながら,アメリカ軍の駐留に反対する等の一定の政治的な目的を有していることが認められ,千人,万人単位の人員を擁し,しかもその数は年々増えており,相応の兵力を保持して, 組織的かつ計画的に多国籍軍に抗戦し,イラク攻撃開始後5年を経た現在まで,継続してこのような抗戦を続けていると認められる。したがって,これらを抑圧しようとする多国籍軍の活動は,単なる治安活動の域を超えたものであって,少なくとも現在,イラク国内は, イラク攻撃後に生じた宗派対立に根ざす武装勢力間の抗争がある上に,各武装勢力と多国籍軍との抗争があり,これらが複雑に絡み合って泥沼化した戦争の状態になっているものということができる。このことは,アメリカ軍がこの5年間に13万人から16万人もの多数の兵員を常時イラクに駐留させ,ベトナム戦争を上回る戦費を負担し,単発で非組織的な自爆テロ等による被害も含むとはいえ,双方に多数の死傷者を続出させながら,なお未だ十分に治安の回復がなされていないことに徴しても明らかである。以上のとおりであるから,現在のイラクにおいては,多国籍軍と, その実質に即して国に準ずる組織と認められる武装勢力との間で一国国内の治安問題にとどまらない武力を用いた争いが行われており,国際的な武力紛争が行われているものということができる。とりわけ,首都バグダッドは, 平成19年に入ってからも,アメリカ軍がシーア派及びスンニ派の両武装勢力を標的に多数回の掃討作戦を展開し,これに武装勢力が相応の兵力をもって対抗し,双方及び一般市民に多数の犠牲者を続出させている地域であるから,まさに国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為が現に行われている地域というべきであって, イラク特措法にいう「戦闘地域」に該当するものと認められる。なお,現在にまで及ぶ多国籍軍によるイラク駐留及び武装勢力との戦闘は,それがイラク政府の要請に基づくものであり,国連の理解ないし支持を得たものであるとしても(前記安保理決議1483号, 1546号等),平成15年3月に開始されたイラク攻撃及びこれによってもたらされた宗派対立による混乱が未だ実質的には収束していないことの表れであるといえることや,現在のイラク政府が単独でこれら武装勢力と対抗することができないため,現在も敢えて外国の兵力である多国籍軍の助力を得ているものと理解できることに鑑みれば,多国籍軍と武装勢力との間のイラク国内における戦闘は,実質的には当初のイラク攻撃の延長であって,外国勢力である多国籍軍対イラク国内の武装勢力の国際的な戦闘であるということができ,この点から見ても,現在の戦闘状況は,国際的な紛争であると認められる。しかるところ,その詳細は政府が国会に対しても国民に対しても開示しないので不明であるが,航空自衛隊は,前記認定のとおり,平成18年7月ころ以降バグダッド空港への空輸活動を行い,現在に至るまで,アメリカが空挺隊員輸送用に開発したC-130H輸送機3機により, 週4回から5回,定期的にアリ・アルサレム空港からバグダッド空港へ武装した多国籍軍の兵員を輸送していること,これは陸上自衛隊のサマワ撤退を機にアメリカからの要請でなされているものであり,アメリカ軍はこの輸送時期と重なる平成18年8月ころバグダッドにアメリカ兵を増派し,同年末ころから,バグダッドにおける掃討作戦を一層強化していること,それ以前の空輸活動がカタールのアメリカ中央軍司令部において, アメリカ軍や英国軍と機体のやりくりを調整し飛行計画を立ててなされているものであり,平成18年7月以後も同様にアメリカ軍等との調整の上で空輸活動がなされているものと推認されること,C-130H輸送機には,地対空ミサイルによる攻撃を防ぐためのフレアが装備され,これが事前訓練を経た上で,実際にバグダッド空港での離着陸時に使用されていること,バグダッド空港はアメリカ軍が固く守備をしているとはいえ,その中にあっても,あるいは離着陸時においても,現実的な攻撃の危険性がある旨防衛大臣が答弁していること,航空自衛隊が多国籍軍の武装兵員を輸送するに際し,バグダッドでの掃討作戦等の武力行使に関与しない者に限定して輸送している形跡はないことが認められる。これらを総合すれば,航空自衛隊の空輸活動は,それが主としてイラク特措法上の安全確保支援活動の名目で行われているものであり,それ自体は武力の行使に該当しないものであるとしても,多国籍軍との密接な連携の下で,多国籍軍と武装勢力との間で戦闘行為がなされている地域と地理的に近接した場所において,対武装勢力の戦闘要員を含むと推認される多国籍軍の武装兵員を定期的かつ確実に輸送しているものであるということができ,現代戦において輸送等の補給活動もまた戦闘行為の重要な要素であるといえることを考慮すれば(甲B161,当審における山田朗証人),多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行っているものということができる。したがって,このような航空自衛隊の空輸活動のうち, 少なくとも多国籍軍の武装兵員をバグダッドへ空輸するものについては,前記平成9年2月13日の大森内閣法制局長官の答弁に照らし,他国による武力行使と一体化した行動であって,自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない行動であるということができる。(4) よって,現在イラクにおいて行われている航空自衛隊の空輸活動は,政府と同じ憲法解釈に立ち,イラク特措法を合憲とした場合であっても,武力行使を禁止したイラク特措法2条2項,活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反し,かつ,憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる。3 本件差止請求等の根拠とされる平和的生存権について憲法前文に「平和のうちに生存する権利」と表現される平和的生存権は,例えば, 「戦争と軍備及び戦争準備によって破壊されたり侵害ないし抑制されることなく,恐怖と欠乏を免れて平和のうちに生存し,また,そのように平和な国と世界をつくり出していくことのできる核時代の自然権的本質をもつ基本的人権である。」などと定義され, 控訴人らも「戦争や武力行使をしない日本に生存する権利」, 「戦争や軍隊によって他者の生命を奪うことに加担させられない権利」, 「他国の民衆への軍事的手段による加害行為と関わることなく,自らの平和的確信に基づいて平和のうちに生きる権利」, 「信仰に基づいて平和を希求し,すべての人の幸福を追求し,そのために非戦・非暴力・平和主義に立って生きる権利」などと表現を異にして主張するように,極めて多様で幅の広い権利であるということができる。このような平和的生存権は,現代において憲法の保障する基本的人権が平和の基盤なしには存立し得ないことからして,全ての基本的人権の基礎にあってその享有を可能ならしめる基底的権利であるということができ,単に憲法の基本的精神や理念を表明したに留まるものではない。法規範性を有するというべき憲法前文が上記のとおり「平和のうちに生存する権利」を明言している上に,憲法9条が国の行為の側から客観的制度として戦争放棄や戦力不保持を規定し,さらに,人格権を規定する憲法13条をはじめ,憲法第3章が個別的な基本的人権を規定していることからすれば, 平和的生存権は,憲法上の法的な権利として認められるべきである。そして,この平和的生存権は,局面に応じて自由権的,社会権的又は参政権的な態様をもって表れる複合的な権利ということができ, 裁判所に対してその保護・救済を求め法的強制措置の発動を請求し得るという意味における具体的権利性が肯定される場合があるということができる。例えば,憲法9条に違反する国の行為,すなわち戦争の遂行, 武力の行使等や,戦争の準備行為等によって,個人の生命,自由が侵害され又は侵害の危機にさらされ,あるいは,現実的な戦争等による被害や恐怖にさらされるような場合,また,憲法9条に違反する戦争の遂行等への加担・協力を強制されるような場合には,平和的生存権の主として自由権的な態様の表れとして, 裁判所に対し当該違憲行為の差止請求や損害賠償請求等の方法により救済を求めることができる場合があると解することができ,その限りでは平和的生存権に具体的権利性がある。なお, 「平和」が抽象的概念であることや,平和の到達点及び達成する手段・方法も多岐多様であること等を根拠に,平和的生存権の権利性や,具体的権利性の可能性を否定する見解があるが,憲法上の概念はおよそ抽象的なものであって,解釈によってそれが充填されていくものであること,例えば「自由」や「平等」ですら,その達成手段や方法は多岐多様というべきであることからすれば,ひとり平和的生存権のみ,平和概念の抽象性等のためにその法的権利性や具体的権利性の可能性が否定されなければならない理由はないというべきである。4 控訴人らの請求について(1) 控訴人池住らの本件違憲確認請求について民事訴訟制度は,当事者間の現在の権利又は法律関係をめぐる紛争を解決することを目的とするものであるから,確認の対象は,現在の権利又は法律関係でなければならない。しかし, 本件違憲確認請求は, ある事実行為が抽象的に違法であることの確認を求めるものであって,およそ現在の権利又は法律関係に関するものということはできないから,同請求は, 確認の利益を欠き,いずれも不適法というべきである。.(2) 控訴人池住らの本件差止請求についてア 民事訴訟としての適法性イラク特措法は,対応措置を実施するための具体的手続として,①内閣総理大臣が対応措置の実施及び基本計画案につき閣議の決定を求めること(4条1項,基本計画の変更の場合も同様。同条3項), ②当該対応措置について国会の承認を求めなければならないこと(6条1項),③防衛大臣は対応措置についての実施要項を定め,内閣総理大臣の承認を得た上で,自衛隊の部隊等にその実施を命ずること(8条2項。実施要項の変更の場合も同様。同条9項)を規定しているところ,これら規定からすれば,イラク特措法による自衛隊のイラク派遣は,イラク特措法の規定に基づき防衛大臣に付与された行政上の権限による公権力の行使を本質的内容とするものと解されるから,本件派遣の禁止を求める本件差止請求は,必然的に,防衛大臣の上記行政権の行使の取消変更又はその発動を求める請求を包含するものである。そうすると,このような行政権の行使に対し,私人が民事上の給付請求権を有すると解することはできないことは確立された判例であるから(最高裁昭和56年12月16日大法廷判決・民集35巻10号1369頁等参照),本件差止請求にかかる訴えは不適法である。イ 行政事件訴訟(抗告訴訟)としての適法性そこで,仮に,本件差止請求にかかる訴えが,行政事件訴訟(抗告訴訟)として提起されたものと理解した場合について検討する。本件派遣は,前記のとおり違憲違法な活動を含むものであり,関係各証拠によれば,本件派遣が控訴人池住らに大きな衝撃を与えたものであることは認められる。しかしながら,本件派遣は控訴人池住らに対して直接向けられたものではなく,本件派遣によっても,日本において控訴人池住らの生命,自由が侵害され又は侵害の危機にさらされ,あるいは,現実的な戦争等による被害や恐怖にさらされ, また,憲法9条に違反する戦争の遂行等-の加担・協力を強制されるまでの事態が生じているとはいえないところであって,全証拠によっても,現時点において,控訴人池住らの具体的権利としての平和的生存権が侵害されたとまでは認められない。なお,控訴人五井泰弘は,本件派遣によってアフガニスタンで行っている自らのNGO活動に支障が生じ,また,アフガニスタン人の対日感情の悪化により生命身体の危険が高まった旨主張するが, アフガニスタンにおける控訴人五井泰弘のNGO活動への支障又は生命身体への危険が本件派遣によってもたらされたと認めるに足りる十分な証拠はなく,控訴人五井泰弘の平和的生存権が侵害されているとは認められない。そうすると,控訴人池住らは,本件派遣にかかる防衛大臣の処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するとはいえず,行政事件訴訟(抗告訴訟)における原告適格性が認められない。したがって,仮に本件差止請求にかかる訴えが行政事件訴訟(抗告訴訟)であったとしても,不適法であることを免れない。(3) 控訴人らの本件損害賠償請求について関係各証拠によれば,控訴人らは,それぞれの重い人生や経験等に裏打ちされた強い平和への信念や信条を有しているものであり,憲法9条違反を含む本件派遣によって強い精神的苦痛を被ったとして,本件損害賠償請求を提起しているものと認められ,そこに込められた切実な思いには, 平和憲法下の日本国民として共感すべき部分が多く含まれているということができ,決して, 間接民主制下における政治的敗者の個人的な憤慨,不快感又は挫折感等にすぎないなどと評価されるべきものではない。しかしながら,控訴人池住らの本件差止請求に関して前述したのと同じく,本件派遣によっても,控訴人らの具体的権利としての平和的生存権が侵害されたとまでは認められないところであり,控訴人らには,民事訴訟上の損害賠償請求において認められるに足りる程度の被侵害利益が未だ生じているということはできない。よって, 控訴人らの本件損害賠償請求は,いずれも認められない。第4 結論以上のとおりであって,原判決は結論においていずれも正当であるから,控訴人らの本件控訴をいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第3部
裁判長裁判官   青  山  邦  夫
裁判官   坪  井  宣  幸
裁判官   上  杉  英  司

日本国憲法

日本国憲法
【目次】
   
前 文
 
第1章
天 皇
(第1条~第8条)
第2章
戦争の放棄
(第9条)
第3章
国民の権利及び義務
(第10条~第40条)
第4章
国 会
(第41条~第64条)
第5章
内 閣
(第65条~第75条)
第6章
司 法
(第76条~第82条)
第7章
財 政
(第83条~第91条)
第8章
地方自治
(第92条~第95条)
第9章
改 正
(第96条)
第10章
最高法規
(第97条~第99条)
第11章
補 則
(第100条~第103条)
  昭和21・11・3・公布
  昭和22・5・3・施行
最初
前 文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
最初
第1章 天 皇
 
第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
 
第2条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
皇室典範
 
第3条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
 
第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
 
第5条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。
摂政(皇室典範)
 
第6条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
 
第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
1.憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
2.国会を召集すること。
3.衆議院を解散すること。
4.国会議員の総選挙の施行を公示すること。
5.国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
6.大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
7.栄典を授与すること。
8.批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
9.外国の大使及び公使を接受すること。
10.儀式を行ふこと。
 
第8条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。
皇室経済法
最初
第2章 戦争の放棄
 
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
最初
第3章 国民の権利及び義務
 
第10条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
国籍法
 
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
 
第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
 
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
 
第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
 
第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
 
第16条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
 
第17条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
 
第18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
 
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
 
第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
 
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
 
第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
国籍法
 
第23条 学問の自由は、これを保障する。
 
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
 
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
 
第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
 
第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
労働基準法
3 児童は、これを酷使してはならない。
 
第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
労働組合法
 
第29条 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
 
第30条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
 
第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
刑事訴訟法
 
第32条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
 
第33条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
 
第34条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
 
第35条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
 
第36条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
 
第37条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
 
第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
 
第39条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
 
第40条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
最初
第4章 国 会
 
第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
 
第42条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
 
第43条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
 
第44条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。
 
第45条 衆議院議員の任期は、4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
 
第46条 参議院議員の任期は、6年とし、3年ごとに議員の半数を改選する。
 
第47条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
 
第48条 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
 
第49条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
 
第50条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
 
第51条 両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
 
第52条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。
 
第53条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
 
第54条 衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。
2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
 
第55条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。
 
第56条 両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き、議決することができない。
2 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
 
第57条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
3 出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
 
第58条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。
 
第59条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
 
第60条 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
2 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
 
第61条 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第2項の規定を準用する。
 
第62条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。
 
第63条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。
 
第64条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
2 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。
最初
第5章 内 閣
 
第65条 行政権は、内閣に属する。
 
第66条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
 
第67条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
 
第68条 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
 
第69条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
 
第70条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
 
第71条 前2条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。
 
第72条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。
 
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
1.法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
2.外交関係を処理すること。
3.条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
4.法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
5.予算を作成して国会に提出すること。
6.この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
7.大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。
 
第74条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
 
第75条 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。
最初
第6章 司 法
 
第76条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
 
第77条 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
 
第78条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
 
第79条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
 
第80条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
2 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
 
第81条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
 
第82条 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
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第7章 財 政
 
第83条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
 
第84条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
 
第85条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。
 
第86条 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
 
第87条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
 
第88条 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。
 
第89条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
 
第90条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
 
第91条 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。
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第8章 地方自治
 
第92条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。
 
第93条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
2 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
 
第94条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
 
第95条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。
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第9章 改 正
 
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
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第10章 最高法規
 
第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
 
第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
 
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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第11章 補 則
 
第100条 この憲法は、公布の日から起算して6箇月を経過した日から、これを施行する。
2 この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。
 
第101条 この憲法施行の際、参議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまての間、衆議院は、国会としての権限を行ふ。
 
第102条 この憲法による第一期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、これを3年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。
 
第103条 この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。